プロローグ:ため息混じりの夜、1人の投手の名前が浮かんだ
「パパ、光成ってさ、メジャー行けるの?」
2025年の冬、ストーブリーグ真っ只中。TVに映ったニュースに、思わず息子が反応した。
画面には「西武ライオンズ・高橋光成(たかはし こうな) 、メジャー挑戦の可能性浮上か?」の文字。
「正直、評価は割れてるけど……無理だなんて思わないよ」
わたしは、コーヒーを一口飲んで、ゆっくりと話し始めた。
第1章:高橋光成、その実力を冷静に見る

提供元:西スポWEB OTTO! – 西日本新聞
「まず、光成のすごさをちゃんと知っておかないとな」
わたしは、パソコンで2023〜2025年の成績をまとめた。
2023年:防御率 2.89/勝敗 12勝6敗/投球回 167.2/奪三振 138
2024年:防御率 3.24/勝敗 11勝9敗/投球回 171.0/奪三振 142
2025年:防御率 3.07/勝敗 10勝8敗/投球回 164.1/奪三振 150
「え、めっちゃ安定してない?」
「そうなんだよ。しかも投球回を毎年160回以上投げてる。 これは先発として“信頼されてる証”でもあるんだ」
「メジャーでも、投げまくるピッチャーって評価されるの?」
「もちろん。でもね、“奪三振率”や“球速”で評価されることが多いから、光成はちょっと地味に見えるんだ」
防御率も投球回も一流。
ただ、奪三振率が「8.0未満」という点で、メジャー球団の一部は懐疑的かもしれない。
でも逆に言えば、「ゴロを打たせてアウトにするピッチング」を極めている証拠。
MLBのチームによっては、そこを高く評価する可能性は十分ある。
第2章:「評価」は二極化している
「パパ、“評価が割れてる”って、どういうこと?」
「たとえば、米スポーツ専門誌のスカウトコメントを見てみよう」
わたしは記事を開いた。
『高橋は日本で最も安定した先発の一人。 ただし、MLBの打者に対して空振りが取れるほどの球威があるかは未知数』
『一部球団は彼を“地味な田中将大”と見ており、他球団は“劣化版菊池雄星”と評価』
「つまり……“無理”って言う人もいるってこと?」
「そう。“球速が150km台後半ないと通用しない”っていう人もいる」
「でも、それだけで“無理”って決めつけるのは変じゃない?」
「おまえ、いいこと言うな」
わたしは笑いながら、さらに資料を開いた。
【参考:近年MLBで活躍した日本人投手の球速と特徴】
・前田健太:平均球速 90.5mph(約145.6km/h)→スライダーのキレで勝負
・菊池雄星:平均球速 94.1mph(約151.4km/h)→制球に波あり
・山本由伸:平均球速 95.0mph(約152.9km/h)→総合力
「つまり、球速が絶対じゃないってこと」
評価って、本当に主観だなと感じる。 確かに“光成の速球”は派手じゃない。
でも、あのテンポ、緩急、そしてゴロで打ち取る術は、MLBの中でも貴重な存在だと思う。
第3章:じゃあ、どこのチームならフィットするの?
「パパ、じゃあさ、どこのメジャー球団なら、光成に合うの?」
「それ、いい質問だ!」
わたしはノートにざっと球団を書き出す。
🔍 高橋光成 メジャー移籍候補球団分析(フィット度・理由)
| 球団名 | 適合度 | 理由 |
|---|---|---|
| セントルイス・カージナルス | ◎ | ゴロ投手を重視/守備力も高く、テンポ派の光成と相性抜群 |
| ピッツバーグ・パイレーツ | ◯ | 若手育成が軸/低予算だが地味系先発の育成力に定評 |
| シカゴ・カブス | △ | 投手陣再建中/安定感のある光成が「即ローテ入り候補」として魅力 |
| タンパベイ・レイズ | ◯ | 分析特化球団/球速より実効支配(コマンド・テンポ・変化球)を重視するスタイルと合致 |
「へぇ〜、ゴロを打たせる投手に向いてる球団ってあるんだ!」
「あるよ。特にナ・リーグ中地区は、そういう投手が活きやすい」
「じゃあ、“どこ”が取るかは、相性次第ってことだね!」
メジャー挑戦において「どこの球団に行くか」は、年俸よりも重要なポイント。
光成のようなスタイルの投手は、“支配力より効率重視”の球団にこそフィットする。
特に守備力が高く、テンポを重視する球団との相性は抜群。
第4章:高橋光成の“これから”と少年の夢
「パパ、光成って、メジャー挑戦するのかな…?」
「たぶん、本人も悩んでると思う」
「どうして?」
「球団の評価だけじゃない。家族、キャリア、故障リスク、全部背負って決断するんだから」
「そっか……」
「でもな、息子よ。夢を“無理”って思ったら、そこで終わりなんだよ」
「うん……ぼくもそう思う!」
挑戦に“正解”なんてない。
高橋光成がどんな決断をしても、あの誠実な投球姿勢は誇りだ。
息子が彼を憧れる理由が、よくわかる気がした。
エピローグ:評価のその先へ——“無理”と言われた男が、世界を驚かす日
高橋光成は、球速でも三振でもなく、“本質”で勝負する投手だ。
そして今、その“本質”がメジャーに届こうとしている。
彼の投球は派手じゃない。
でも、見れば見るほど味がある。
それは、誰かの評価では測れない。
「パパ、光成がメジャーで投げる日、絶対一緒に見ようね」
「うん。一番かっこいい“地味さ”を見届けよう」
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