「うわっち」の愛称で親しまれる上沢直之(うわさわ なおゆき)選手。
メジャー挑戦に踏み切った2024年、多くの期待を背に海を渡りましたが、その夢はわずか10日間で終焉を迎えました。
防御率7.63、2試合のみの登板という厳しい現実。
それでも彼は諦めず、ソフトバンクホークスに新天地を求め、4年10億円の契約を結び復活の道を歩み出します。
この記事では、「上沢直之 メジャー通用しない 成績 年棒 評価 譲渡金」をキーワードに、彼のキャリアの起伏と未来を深掘りします。
なぜ「上沢直之はメジャーで通用しない」と言われるのか?
【 #レッドソックス 】#上沢直之 投手がメジャー昇格を果たしました!!
レッドソックスの背番号39を背負ってプレーします🧦#日本人選手情報https://t.co/Z1rxdda5Lc pic.twitter.com/Ivg7HhxIHE— MLB Japan (@MLBJapan) April 29, 2024
上沢直之投手がメジャーで“通用しなかった”という意見には、それなりの根拠があります。
まず、2024年のMLB成績はたった2試合、わずか4イニング、防御率2.25。
しかし、これはあまりに短すぎるサンプルで、本質は3Aの防御率「7.63」という数字にあります。
なぜここまで苦戦したのか?それは球速と球質の問題です。
MLBの平均ストレート球速が約151.6キロに対し、上沢選手は約145.5キロ。
たった6キロの差と思うかもしれませんが、メジャーでは致命的です。
変化球も軒並み性能が落ち、「武器」であったスプリットも球速低下によりフォーシームとのギャップが縮まり威力半減。
さらに、彼はメジャーに合わせて投球スタイルを大きく変更。
ストレートの割合をNPB時代の39.0%から、わずか9.6%にまで減少させた結果、持ち味を失ったとも言えます。
つまり、「通用しなかった」のではなく、「通用する形を作れなかった」と言えるでしょう。
正直に言えば、僕は彼のメジャー挑戦に胸を熱くしていた一人です。
自分の息子もピッチャーを目指しているからこそ、上沢選手のような“挑戦する姿”に心打たれるのです。
結果は確かに厳しかった。
数字だけを見れば、「失敗」と言いたくなる気持ちも分かります。
でも、たった1年、10日で「通用しない」と決めつけるのは早計ではないでしょうか?
誰だって、最初から完璧に海外で結果を出せるわけじゃない。
だからこそ、僕は野球少年の息子にこう言いました。
「上沢さんはかっこいいよ」と。
挑戦した姿こそ、子どもたちに見せたい背中だと思います。
通用しなかったのではなく、通用しようとした男の物語が、今も進行中だと信じています。
上沢直之|メジャーリーグ成績(2024年)
区分 | 内容 |
---|---|
MLB(メジャー)成績 | 登板:2試合(リリーフ)投球回:4イニング防御率:2.25 |
滞在期間 | 約10日間のみ(メジャー) |
AAA(マイナー)成績 | 登板:20試合(主に先発)勝敗:5勝4敗防御率:7.63 |
備考:メジャーではほぼ実績を残せず、短期間でマイナーへ。
マイナーでも高い防御率で苦戦。
上沢直之|メジャーリーグ年棒(年俸)推移
年 | 所属 | 推定年俸 |
---|---|---|
2023年 | 北海道日本ハムファイターズ(NPB) | 約 1億7,000万円 |
2024年 | タンパベイ・レイズ(MLB・マイナー契約) | 約 3億7,500万円(達成ベース、未満達成) |
2025年〜 | ソフトバンクホークス(NPB) | 年俸 2億5,000万円×4年(総額10億円規模) |
備考:メジャー契約は逃し、マイナー契約により年俸は実質ダウン。
日本復帰後は高評価により大幅アップ。
上沢直之|メジャーリーグ評価(MLBでの分析と批判)
観点 | 内容 |
---|---|
球速の差 | ストレート平均145.5km/hで、メジャー平均151.6km/hより約6km遅い。これは致命的とされる。 |
投球スタイル変更 | ストレート比率を約39% → 約9.6%へ大幅ダウン。結果、変化球の効果も落ちた。 |
スプリット性能の低下 | 球速が下がり、フォーシームとのギャップ減少。武器としての力を失う。 |
評価の声 | 「メジャーでは通用しなかった」「技術対応力に課題」など厳しい声が多数。一方で「短期間では判断不可」と擁護する専門家の声もあり。 |
補足:投球の質・球速・適応力、いずれもメジャーでは厳しいと評価されたが、短期滞在ゆえ評価はやや不完全とも。
上沢直之|メジャーリーグ譲渡金(ポスティングによる移籍金)
内容 | 金額 |
---|---|
日本ハム → タンパベイ・レイズ | 6,250ドル(約91万円) |
備考:これは過去最低水準であり、ファンや球界内で批判を招いたポイントの1つ。
比較例(参考) | 譲渡金 |
---|---|
山本由伸 | 約70億9,000万円 |
今永昇太 | 約14億2,000万円 |
有原航平 | 約1億3,000万円 |
わずか91万円の譲渡金がもたらした波紋
ポスティングでメジャーへ渡った上沢直之選手。
しかし、彼の譲渡金はたった91万円(6,250ドル)。
これは山本由伸(70億円)、今永昇太(14億円)と比較しても桁違いの低さ。
この事実に対して、ファンやメディア、球団関係者からは「義理がない」との声も。
新庄監督も「マイナー契約なら行くべきじゃない」と忠告していました。
しかも、帰国後に古巣の施設を利用しつつ、契約はソフトバンクに…。
一部では「制度の抜け道利用」とも言われ、ルールの整備不備が浮き彫りになりました。
とはいえ、元メジャーの上原浩治氏は「上沢は悪くない」と明言。
ルールに則って行動している以上、責めるべきは選手ではなく制度でしょう。
親としては、あの91万円という数字を見たとき、「え?本当にそれだけ?」と驚きましたよ。
でも、息子には「金額の話よりも、夢を追ったことのほうが大事」と話しました。
大人の世界では「筋を通せ」みたいな文化もあるけど、子どもにとって大事なのは“挑戦した”という姿。
メジャーで挫折しても、また立ち上がったことがすごいんです。
それを教えてくれたのが上沢選手だったし、今も彼の姿から学ぶことがたくさんあります。
息子と一緒に応援していきたい、そう思っています。
まとめ
- 上沢選手はメジャーで結果を残せず、事実上の“1年での撤退”。
- 成績は乏しく、マイナーでも高い防御率。
- 年棒はNPB→MLB→NPBで大きく変動。
- 譲渡金91万円という歴史的低額により、制度問題も浮上。
- 技術・契約・評価のいずれにおいても、「失敗」と言われるが挑戦自体は価値があるとする声も。
制度と価値観のズレが浮き彫りに
今回のケースで最も注目すべきは、「ポスティング制度の限界」です。
上沢選手はFA権未取得ながら、ポスティングで渡米。
その結果、球団には実質的な利益はゼロ。制度をフル活用した形です。
これは日本特有の「義理人情」と、メジャーの「ビジネス重視」が真っ向からぶつかった事例。
制度が選手にとって不利なのか、球団にとって不利なのか。
いずれにしても、12球団統一ルールの整備が急務となっています。
有原航平に続く「メジャー経由ソフトバンク入り」というルートも定番化しつつあり、今後さらに議論を呼ぶ可能性大。
日本球界の将来を左右する、大きな分岐点と言えるでしょう。
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